俳優の“言葉”と、アニメーション、音楽を有機的にリンクさせ、舞台だからこそ実現される特別な体験を目指し、2018年にラブストーリーの朗読劇シリーズとして産声をあげたシリーズ《恋を読む》。同年、第一弾として『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』を上演し、おかげさまで好評を博し2019年3月には約半年という短期間での再演を実現。続いて同年10月に第二弾として『逃げるは恥だが役に立つ』を上演しました。どの公演も、多種多様なジャンルからトップクラスの人気と実力をもつ豪華キャストたちが集結。演劇ならではの生の“言葉”の力で新たな形の恋物語をお届けし、評判となりました。
第三弾となる今回は、映画「君の名は。」で話題をさらった新海 誠監督の美しくも切ないアニメーションの金字塔「秒速5センチメートル」を朗読劇として初めて舞台化します。「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の3つの短編の連作というユニークな形で描き出される胸をしめつけられるような恋の物語は、2007年に公開されたのち、たちまち大きな反響を呼び単館上映ながらロングラン、アジアパシフィック映画祭「最優秀アニメ賞」やイタリア・フューチャーフィルム映画祭「ランチア・プラチナグランプリ」などの映画賞を受賞するなど大きな話題となりました。互いに惹かれ合いながらもすれ違い、結ばれることのない運命の男女の切ない恋を描いたこの傑作ラブストーリーを、朗読劇という濃密で凝縮されたソリッドな空間で上演し、交わらない2人の運命の切なさをダイレクトにお届けします。