INTRODUCTION
日本初演から半世紀以上、
こんな時代だからこそ
人々に愛され続けるミュージカル。
結婚に必要なのは「愛」なのか「金」なのか?政治的思想と、理想の家庭は両立するものなのだろうか?宗教の違いを超えて、人は幸せになれるのだろうか?親の信念を子供たちに押し付けることは良いことなのか?など、激変する世界情勢の中、いつの時代でも、どの国でも通じる今日的なテーマを、軽妙なセリフ回しと軽快な音楽、ダンスシーンを交えてお贈りする名作ミュージカル、それが『屋根の上のヴァイオリン弾き』です。
ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」は1964年ブロードウェイで初演され、トニー賞ミュージカル部門の最優秀作品賞、脚本賞、作曲賞など7つもの賞を獲得。ブロードウェイでの上演は72年まで8年間も続き、3,242回という、当時としては記録的なロングランを達成。
日本初演は1967年秋、帝国劇場での2カ月公演で幕が開きました。森繁久彌のテヴィエ、越路吹雪のゴールデ以下、豪華キャストが顔を揃え、その後の再演を含め、森繁テヴィエは通算上演900回を達成し、有終の美を飾りました。1994年の再演からは、エネルギッシュで愛嬌のある西田敏行のテヴィエが登場。
日本版上演記録そして、2004年からは“21世紀版”『屋根の上のヴァイオリン弾き』と銘打ち、市村正親がテヴィエを務めています。2004年、2006年、2009年、2013年、2017年、2021年に続き、今回で市村テヴィエは7演目の公演となります。相手役の妻・ゴールデは、市村にして“最強の女房”と言わしめた鳳蘭が、2009年以来の「名コンビ」でお贈りいたします。
また、二人の愛すべき娘たちである、長女・ツァイテル役には、宝塚歌劇団退団後も、『キングダム』、『メイジ・ザ・キャッツアイ』と舞台を中心に活躍する美弥るりか、次女・ホーデル役には、ミュージカル『SPY×FAMILY』でのヨル役が好評だった唯月ふうかが前回2021年公演から続投、三女・チャヴァ役には子役時代から数々のミュージカル作品に出演し、近年はミュージカル『イザボー』にも名を連ねた大森未来衣が扮します。
そんな娘たちと運命を共にする男たちには、長女と相思相愛だが貧乏な仕立屋・モーテル役には2021年公演に引き続き上口耕平、次女・ホーデルと恋に落ちる学生・パーチック役にはミュージカル『レ・ミゼラブル』『のだめカンタービレ』での好演が光った内藤大希、三女・チャヴァと駆け落ちするロシア人青年・フョートカには、ミュージカル『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』などにも出演する実力派の神田恭兵が2017年、2021年に引き続き出演いたします。娘の歳ほど差がある長女・ツァイテルとの結婚を望む金持ちの肉屋・ラザール役には、2017年公演以来、久々に今井清隆が出演し、脇をガッチリ固めます。
テヴィエ一家の3人娘と相手役の男性、そしてラザールと、メインキャストに新たな顔ぶれも迎え、生きることに困難な今の時代だからこそ胸に響く、今を一生懸命生きようとする家族の「愛と絆の物語」をお届けいたします。どうぞ、ご期待ください。