Vol.10 最後のレポート‼️

皆様こんにちは☀
世界初演の初日という記念すべき日を無事に終え、キャスト・スタッフ一同、まずは一息ついております✨
これから3月の大阪大千穐楽まで、全員で力を合わせて全力で駆け抜けます💪

さて、このシリーズは「リチャードの稽古場レポート」と題してお届けしてきましたが、稽古が終わった今、今回が最後の投稿となります。

最後の投稿はこのようなラインナップでお届けします‼️
★竹内の紹介
★咲妃みゆさん、山口祐一郎さん、松下洸平さん、松下優也さんについて
★リチャードから見た家族と作品のテーマ
★感動のカーテンコール

最後に何を書こうかと考えていたところ、「竹内くんのことが紹介されてない!」というお声を複数いただき…確かに!笑
自分のことをすっかり忘れていました🤣
そこで、何気なく咲妃みゆさんにお話したら「私が書くよ!」とおっしゃってくださり、なんと素敵なコメントをいただきました✨

フロレンティナ役の咲妃みゆさんからのレポート📝

「フロレンティナ役の咲妃みゆです。
これまでキャストや稽古場の様子を丁寧に紹介してきてくれた將人くん✨
僭越ながら、ここで私から”竹内將人さん”についてご紹介させていただきます!
將人くんとは今回が初共演!日々熱心に作品を追究する姿にたくさん刺激をいただいています。

リチャードは登場するタイミングといい、役柄といい、とても難しい人物です。
物語の中で目まぐるしく変化する状況の中で生きるリチャード。
私が皆様にご注目いただきたいのは、將人くんの細やかな感情表現です✨
名家に生まれながら、自らの道を選び進んでいくリチャード。
真摯に役に向き合い、生命を吹き込む將人くんのお芝居にはいつも胸を打たれます。
彼だからこそ放てる魅力がたくさん詰まったリチャード。素敵な歌声もぜひお聴きください🎶 劇場でお待ちしています!」

本当にありがとうございます😭✨
こうして自分のことを書いていただけると、少し照れますね🥺

さて‼️
ここからは稽古中から本番まで沢山影響を受けた咲妃みゆさん、山口祐一郎さん、そして松下洸平さん、松下優也さんについての思い出や感じたことをお話しさせていただきます。

※以下、ネタバレ注意です!!

咲妃みゆさんとは、カップルとして、夫婦として、作品の中を共に駆け抜けさせていただいております。

僕の登場は後半からですが、登場してからは怒涛の恋愛劇が始まります。そのため、シーンを繰り返し稽古する中で、自然と咲妃さんとの絆が深まっていったように感じています✨
特にフロレンティナとリチャードが大きな決断をするシーンでは、咲妃さんご本人の芯の強さを強く実感することができました。これからの生活に少なからず不安を抱える竹内リチャードが、ふと咲妃フロレンティナの目を見た瞬間、自然とこう思うのです。
「この人となら生きていける。この人さえいれば僕は大丈夫だ」と。
だからこそ、「この人を守って幸せにしなければならない」と強く思わされます。
咲妃さんのように、自然と感情を人に伝えられる俳優に、僕もなりたいとつくづく感じました。

続いては、我らがミュージカル界の王!
山口祐一郎さんについてです。
以前のレポートにも書きましたが、僕は幼少期よりミュージカルの大ファンで、祐一郎さんが出演される作品はすべて博多座で観劇していました‼️
今でも忘れられないのは、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』の初演でのこと。客席に登場する祐一郎さんを、通路側の席に座っていた竹内少年はすぐ真横で目にすることができました。
「わぁ、こんなに大きいんだ」
そう思ったのを覚えています(笑)。
この時は、僕自身が子供だったこともあり、祐一郎さんが本当に大きく見えたのだと思います。
でも、大人になり、共演させていただくと、その「大きさ」の種類が変わりました。
初めてご挨拶した時、祐一郎さんの優しさの大きさ、心の広さ、芝居幅の大きさ、そして存在感の大きさに圧倒されました。
常にミュージカル界の最前線で戦い、観客に感動を届けてきたからこそ放たれる、あのオーラ……。

初日の乾杯の場では、祐一郎さんが僕のところへ来てくださり「あなたは本当にチャーミングで素晴らしい。これから僕の歳になるまで40年くらい頑張ってくださいね。長いよぉ〜(笑)」
とお声がけいただきました。本当に感無量でした。
幼少期から憧れ続けてきた存在であった祐一郎さんに、そのようなお言葉をいただけたことで、まるでサンタさんにお会いして、勇気と希望というプレゼントをいただいたかのような気分になりました。
お人柄も、舞台の上の姿も、本当に素敵な祐一郎さん。これからも一ファンとして応援しながら、大きな背中を追いかけさせていただきます💪

最後に、ケインとアベルのお二人👬
洸平さんは普段から物腰柔らかく、僕が事務所の後輩ということもあり、よく気にかけてくださいました。
僕が「この人とんでもない人だ」と感じた瞬間は、ケインが歳を重ねるにつれて変化していく洸平さんのお芝居を見た時です。
実年齢でいうと同じ30代ですが、物語の中では父と息子。
目の前にいるのは同じ30代とはとても思えない、まさに父親でした。

以前、『ピアフ』という作品に出演した際、演出家の栗山民也さんに「立っているだけで雰囲気が出る芝居をしなさい」と言われたことを思い出しました。
そのお言葉をまさに体現されていた洸平さん。
芸能界という広い世界で、確かな実力で国民的俳優と呼ばれるまでに登り詰められた理由を目の当たりにした瞬間でした。
その後の休憩中に洸平さんにそのことをお伝えすると、「そんなすごくないよぉ、でも嬉しい、ありがとう」という会話をしたのを、今でも忘れられません。

一方、優也さんはゆっくりと歳をとる役作りをされていた印象です。
それは単なるスピードの話ではなく、優也さんの中で納得のいく芝居の小さな変化を一つ一つ確認しながら、確実な芝居を追い求めているように感じました。
その結果、とあるシーンの優也さんは、とてつもなく大きな存在でありながら愛に溢れたアベルそのものに見えます。
そのシーンを思い出してこれを書くだけでも涙が出るほど、そのお芝居に感動させられています。
二人の芝居の捉え方、組み立て方、向き合い方を間近で感じることができ、本当に勉強になりました。

僕自身、お芝居への自信というものは全くありません。
ポジティブな性格なので、自信ありげと思われがちですが(笑)
常に「これがいいのか悪いのか」と葛藤し、自分では判断できないため、とにかく一生懸命にやってみるという感覚です。
今回お二人を間近で見られたことで、また一つ成長するヒントをいただけた気がしています。

さて、次のトピックに移ります。
リチャードから見た家族と作品のテーマ。

まずはリチャードから見た家族と作品のテーマについて。
作品の中でリチャードとして生きるうちに、新たな気づきがたくさんありました。
特に感じたのは「ライバルか敵か。そして家族愛と赦し。」ということ。
一幕冒頭に「ライバルか敵か」という歌詞があります。もしケインとアベルがライバル関係だったなら、より莫大な財産を築き、素敵な一族になっていたのではないかと思います。
しかし、残念ながら彼らは「敵」となり、互いを貶め、復讐を繰り返し、本当に大切なものを失っていきます。
そんな中でも幸運だったのは、フロレンティナとリチャードの存在です。彼らは大金持ちの家に生まれながらも、自立心を持ち、自分の道を信じる勇気と覚悟を持っていました。
そして何より、許されない愛を貫き、ビジネスと自分のプライドを優先した父親たちを恨むのではなく赦し、10年間を過ごしたということです。

リチャードを演じていて感じたのは、「赦し」の大切さです。
ディヴィス・リロイはケインを恨んでいましたが、もしケインの現状や本心、過去を全て知っていたならば、違う結末があったかもしれません。
もしかしたら彼も赦していたのではないかと思います。
よく「復讐は復讐しか生まない」と言いますが、この作品を通して本当に実感しました。復讐連鎖を止めるには「赦し」が鍵なのだと。
とはいえ、「赦し」を実践したからといってこの広い世界で全員が幸せになるわけではありません。
それでも家族や、大親友、大切にしたい人など人それぞれの最小のコミュニティの中だけでも「愛と赦し」を大切にしていくことに、人生の意味があるのではないかと考えさせられました。

そして最後のトピックは、カーテンコール。
カーテンコールはラストシーンから1分も経たないうちに始まります。
まだリチャードの感情が抜けきらない僕は、ケインとアベルが登場し笑顔で抱き合う姿を見ていると涙が止まらなくなります。
僕だけかもしれませんが(笑)
それほどこの物語には感情を揺さぶられます。

最後に。
最高のお二人をはじめとしたキャスト、スタッフ全員と一緒にこの作品を作り上げられたこと、何よりそれを皆様に届けられることが本当に幸せな毎日です✨
大阪の大千穐楽まで、キャスト・スタッフ一同、皆様のご来場を心よりお待ちしております!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました‼️

リチャード・ケイン役竹内將人