アメリカ西海岸から東海岸へ――僕と祖母のめぐり逢いの物語

Introduction

本作は、2011年にオフ・ブロードウェイにて世界初演、2012年にオビー賞のベスト・ニュー・アメリカンプレイを受賞、2013年にピューリッツアー賞の最終候補となりました。以降、世界各地で上演され、2020年春にはロンドンのオールド・ヴィック劇場で、ティモシー・シャラメ主演で上演されることが発表され、話題を呼びました。シアタークリエで4度目の演出となる上村聡史が、本邦初演に挑みます。

大学生レオと祖母のヴェラが、長い時を経て再会することでふれ合う、祖母が生きた時代、孫が生きる未来。それぞれ行き場を失っていた人生を果たして取り戻すことができるのか――。珠玉のヒューマンドラマが幕を開けます。

Story

9月のある深夜、レオ(岡本圭人)が祖母・ヴェラ(高畑淳子)のマンハッタンのアパートに突然現れる。

レオは大学生で、夏の初めに親友と自転車で西海岸を出発し、アメリカ大陸を横断する旅に出たが、途中で事故に遭い、心に傷を負ったまま、最終地点であるニューヨークにたどり着いた。

一方、ヴェラは夫の死から10年たっても表札も替えず、隣人と朝晩、電話で安否確認するだけの孤独な毎日を過ごしていた。

祖父の葬式以来、久しぶりに再会した2人の同居生活に、レオのガールフレンドのベック(森川 葵)や行きずりの女子学生アマンダ(瀬戸さおり)が様々な波紋をもたらすが、レオとヴェラは次第に他の人には言えなかった心の内を明かすようになり、お互いの年齢や時代を越えて、共感を抱いていく――。