Suphab Thai cafe(タイカフェ) 屋根の上のヴァイオリン弾きSpecial 唯月ふうか

明治座から
徒歩10分

今回は、明治座から徒歩10分ほど、水天宮前駅近くにある《Suphab Thai cafe(スパーブ タイカフェ)》を、唯月ふうかさんと訪ねてきました。

もともと八丁堀で人気だったお店ですが、2023年にこの場所に移転。優しい笑顔が印象的なオーナーシェフ・ホンテーさんが丁寧に接客してくれます。
店内はグレーとブルーを基調にした壁紙にウッディなインテリアがスタイリッシュ。なんと店内のデザインも、ホンテーさんが手掛けたそうです。
店名の「Suphab」は、タイ語で「丁寧」という意味だとか。

唯月さんはランチメニューのうち〈カオマンガイ丼〉1,250円(税込)をセレクト。
平日ランチタイム限定でサラダ、スープ、ドリンクが付きます。
「タイ料理ってあんまり食べたことがなくて……辛いんですかね」と心配そうに言う唯月さんですが、メニュー表にある「当店のオーナーは辛いものが苦手です」という一文に思わずニッコリ。

ランチメニューでのドリンクは〈アイスコーヒー〉か〈アイスタイ紅茶〉に限定されていますが、この日は単品で〈タイミルクティー(チャーエン)〉を注文、10種類以上の中からお好み茶葉が選べます。

すでに茶葉を選ぶ時点で楽しい!
タイ北部の茶葉は香りがよく、南部はバランスがいい……といった説明を聞きながら、唯月さんは〈Lamoon〉という葉を選んでいました。

〈カオマンガイ丼〉は、タイ料理の代表格・カオマンガイを丼にアレンジしたもの。
運ばれてくるなり「おいしそう!」と声をあげる唯月さん。
「とにかく鶏肉が柔らかいです。ふわっふわです。おいしい~。ソースも“ピリ辛”とメニューにありましたがアクセントで辛みがくるくらい。スープも鶏でおだしを取っているのかな? すごく優しいお味です」(唯月)

スタッフは〈焼豚のタマリンドソース添え〉1,280円(税込)を注文。
お肉は胡椒がきいていて、スパイシー。そこにタマリンドのフルーティな風味がふわっと加わります。タイ米も、パラパラだけどしっとり、ふっくら。
日本の家庭料理とさほど遠くなさそうな、親しみを感じる味わいです。
「タマリンドは日本ではあまり見ない果物ですが、タイでは定番の食材。私はタイから直接仕入れています」とホンテーさん。

そして何よりも唯月さんがテンションを上げていたのが、〈タイミルクティー(チャーエン)〉です。
鮮やかなオレンジ色にびっくり!
「強く発酵させているから、こんな色になります」とホンテーさん。
フレーバーは発酵のあと、焙煎する際につけるそうで、紅茶の焙煎もお店でやっているとのこと。種類によって黒糖などをブレンドしているそうです。
味は濃厚、そして甘みもちょうどいい。さらに量もたっぷり。
「いい香り~。プリンみたいな味です。デザートを食べているみたいな気分になります。でもさっぱり飲めます。不思議。タイのミルクティーって初めて飲んだのですが、本当にすごくおいしい……!」(唯月)
ちなみにスタッフが選んだ〈Pak Yoon〉は甘みは抑えめ、紅茶本来の風味が強く感じられるタイプでした。

コーヒーもタイ北部の「トラディショナルな豆」(ホンテーさん談)を使用し、店内で焙煎したもの。こちらも黒糖やピーナツ、トウモロコシなどを加えて焙煎しているため、複雑な味わいになっているそうです。
ラテアートも可愛い。

《Suphab》は、タイ国政府認定タイ料理レストランの証である「タイ・セレクト」の取得店でもあります。
「タイ・セレクト」は1998年から始まった制度ですが、その審査はかなり厳しいそうで、2024年8月時点で全国でも198店舗しか認定されていません。
「タイのミシュランみたいな感じです。タイ料理は外国に行くと、素材や材料が少し変えられてしまう。たとえばガパオライスは本来、野菜はホーリーバジルだけですが、ピーマンやパプリカが入っているイメージがありませんか? これ、タイ人からしたら、すごく変。おいしいけど、タイ料理じゃない。そういうのではなく、きちんと本場の味付をしていること、さらにタイらしい雰囲気、上質なサービスをしているか、といったことが審査されます」(ホンテーさん)
つまり本番の味の太鼓判、ということですね。

さて、唯月さんが次回出演する『屋根の上のヴァイオリン弾き』は3月に上演。唯月さんは3度目の出演で、2017年には三女・チャヴァを演じ、前回2021年からは次女・ホーデルを演じています。
「ホーデルは聡明で賢い女の子。理論型で、たぶん怒る時も理詰めで話すタイプじゃないかな。私はどちらかというと逆の感情型タイプなのですが、だからこそ演じていて勝ち誇ったような気持ちになれたりするのが楽しいです(笑)。
作品自体、大好きなんです。明るい楽曲が多く、主役の市村正親さんが醸し出す雰囲気もクスっとしてしまうユーモアがあり、心が温まる物語。でも味わえば味わうほど、現実に向き合う人々の強さが身に沁みます。“サークル”“円”を大事にした作品で、伝統を守り暮らす人々、家族の絆というったものを“円”というもので表現しています。悲しい時も楽しい時もみんなで手を取り合い乗り越えていこうというメッセージに、私も助けられたり、背中を押してもらったりしています」(唯月)

『屋根の上のヴァイオリン弾き』の現場は「実家に帰ってきたような感覚」とも話します。
「キャストさんはもちろん、制作さんやスタッフの皆さんも優しくて。特にお父さん役の市村さんからは学ぶことが多いです。ホーデルは後半、お父さんととても大事なシーンがありますが、初めてそのシーンのお芝居をやる時に緊張していた私に『心の動くままに演じればいいから』とおっしゃってくださって、それで安心して演じられました。本当にお父さんのように、心地よい空気を作ってくださる。前回の公演が終わった時に『俺はふうかのホーデルと一緒にお芝居ができたことがとっても嬉しかったよ』というメッセージをくださったのが嬉しかったので、今回再びホーデルとして出演することが決まった際、市村さんにまっさきにご報告したんです。そうしたら『おまえホーデルか、嬉しいなぁ、よろしくな』と喜んでくださいました。今回はさらに市村さんと息の合ったお芝居ができるよう頑張りたいです」(唯月)

ほかにも、餃子やお寿司や焼肉が好きだという話、一人でも初めてのお店にどんどん入っていっちゃうという話、チャヴァ役の大森未来衣さんと一緒にラーメンを食べにいく約束をした話などを楽しそうにしてくださった唯月さん。
「タイ料理、あまり詳しくなかったのですが、また食べたいです。というより、この店にまた来たい、絶対来ます! 楽屋入りする前に寄って、タイミルクティーのテイクアウトもしたい。実は明治座に出演するのは初めてなんです。このあたり、私も色々と散策して開拓したいと思います。本当においしかったし楽しかった~!」(唯月)
ぜひ、こちらの連載のほかのお店も行ってみてください!

【メニューや価格、サービスなどは、2025年1月時点のものです】

(取材・文・撮影:平野祥恵)

取材協力:一般社団法人日本橋浜町エリアマネジメント https://hamacho.jp/

写真:店内
Suphab Thai cafe
営業時間11:30~21:00(L.O.20:30)
定休日不定休
住所中央区日本橋浜町3-17-2 丸松陶器ビル1階
Google Maphttps://maps.app.goo.gl/DmgEKtC9ZGhemrWK6
公式Instagramhttps://www.instagram.com/suphabthaicafe/?hl=ja