今回は、明治座から徒歩8分ほどのところにあるお蕎麦やさん《浜町かねこ》をご紹介します。
黒い板張りの壁と控えめなのれんで、すでに入り口から品の良さが漂います。
《浜町かねこ》は、神楽坂にあるミュシュラン一つ星の名店《蕎楽亭》で10年修行した店主の金子さんが、2015年にオープンしたお店。このお店自体も、ミュシュランでビブグルマンを獲得しています。
お蕎麦は店内の石臼で挽いた十割蕎麦。
新鮮な旬魚を使用した天ぷら、おいしいお酒とおつまみにも定評があります。
細長い店内はちょっと京都のお店のような雰囲気も。
1階はカウンターと個室、2階はテーブル席と個室です。
スタッフは〈天ざる〉3,000円(税込)と、〈つけカレー〉1,500円(税込)をいただきました。
天ざるの天ぷらは、この日は才巻海老、穴子、茄子、ズッキーニ、ししとうです。
まず細切りのおそばの食感が良く、十割とは思えないなめらかな舌触り、しかもキレのある味。
薄付きの衣でカラリと軽く揚がった天ぷらも、とてもおいしい。ふんわりした穴子、うまみが口の中で溢れる才巻海老はもはや芸術です。
〈つけカレー〉は、よくテレビでも紹介される、一風変わったメニューだとか。
いわゆる和出汁のきいた“お蕎麦屋さんのカレー”とはまったく違います。
スパイスがきいていて、サラサラ。甘みも果物や野菜で出しているのかな? という、複雑な味わいのカレーです。
一品料理も豊富で、どれもおいしそうなものばかり。
●〈だしまき玉子〉1,200円(税込)
ふわふわでだしがたっぷり閉じ込められています。穏やかなお味。
●〈牛すじの煮込み〉1,200円(税込)
スープの透明さからもとても丁寧に処理されていることがわかる、上品な味です。すじが口の中でとろけます。
●〈馬刺し〉1,200円(税込)
やわらかく、新鮮。まったくくさみがなく、おいしい!
上品なお蕎麦はもちろん、一品料理がどれもこれも驚きのおいしさです。
実際、蕎麦を注文せず一品料理だけ食べて帰る方もいるとか。
季節のメニュー含め、常時30品ほど用意しているそうです。
いい芝居を観たあと、いい気分にひたりたい時に重宝しそうなお店です。
「カウンターもありますので、おひとり様でもぜひ」とのことでした。
【メニューや価格、サービスなどは、2025年1月時点のものです】
(取材・文・撮影:平野祥恵)
取材協力:一般社団法人日本橋浜町エリアマネジメント
https://hamacho.jp/