霧の都…かつてロンドンはそう呼ばれていた。
しかしロンドンにはもう一つの呼び名があった。GHOST CITY…幽霊の都である。
物語の舞台は、産業革命が進む19世紀のロンドン。まことしやかに囁かれていた幽霊の噂
(Ghost story)を解明して回った二人の紳士コナン・ドイル卿とハリー・フーディーニの物語。
そう…これは実話を元にした物語である。

コナン・ドイル卿は推理小説「シャーロック・ホームズ」シリーズの作者として富も名声も手に入れた。最終巻でホームズを殺し、シリーズを完結させたドイル卿。ホームズシリーズを越える新作を書き上げようと思っていたが…ホームズの死を嘆いたファンからは抗議の嵐で、脅迫文まで届く始末。読者と出版社の要望で仕方なく続編を…とペンを持ってみたもののアイディアが全く浮かばない。しかも、最終巻で殺したシャーロック・ホームズが妄想の中に現れ、ドイル卿をからかうようになっていたのだった。
そんな彼の前に、一人の男が現れる。彼の名はハリー・フーディーニ…言わずと知れた、アメリカが誇る天才奇術師である。

マジックで説明できない現象はない

そう豪語する彼は鮮やかな推理で霊媒師のインチキを暴いて見せた。
その姿は、ドイル卿にシャーロック・ホームズを思わせるのだった。

彼と一緒に冒険すれば…
もう一度、シャーロック・ホームズが書けるかもしれない

かくしてドイル卿は、資金提供を条件に、ロンドン中の幽霊騒動を一緒に解明しようとフーディーニに持ちかける。

「Ghost Clubを作ろう」と・・・

名作「シャーロック・ホームズ」シリーズの作者。プライドが高く、気取った態度の英国紳士だが、実際はとてもお人好しで怖がり。なんでゴーストクラブなんか作ったのか謎なくらい幽霊嫌いである。「最後の事件」でホームズを殺して以降スランプになっている。妄想の中に現れるホームズにからかわれながら、それでも新たな名作を書き上げ「自分はシャーロック・ホームズ以外も書ける」と世間に認めさせたいと思っている。知識が豊富で、実生活でも事件を解決してしまう人物ではあるが、人に騙されやすく、フーディーニに言わせれば「最高の客」だそうである。
CAST 鈴村健一(8/31)、梶 裕貴(9/1・2)、石田 彰(9/3)、小野友樹(9/4)、春野寿美礼(9/5・7)、山口勝平(9/6)

アメリカからやってきた天才奇術師。鋭い眼光でありとあらゆる霊媒師の嘘を見破り、更にその目の前でより複雑なマジックを披露して叩きのめす、ということを趣味としている。サディスティックな男。幽霊や霊媒師、怪奇現象などのインチキに対して尋常ではない怒りを抱いている。ドイル卿に言わせれば「鮮やかな手法で謎解きをするその姿は、どこかシャーロック・ホームズと重なるものがある」…らしい。ドイル卿と異なり、貧乏のどん底から這い上がってきた天才であり、どこか暗い影を持つ。
CAST 津田健次郎(8/31)、諏訪部順一(9/1・2)、中村悠一(9/3)、浪川大輔(9/4)、紫吹 淳(9/5・7)、平田広明(9/6)

15歳の少年。ランカスター家の血を引く名門に生まれる。幼いころに両親に先立たれ、クロフト家の財産と爵位を若くして引き継ぐことになる。幼いころより大人たちの欲望の中で生きてきたため、年齢のわりに冷めた目を持つ少年。クロフト家クロフト城の現当主。相続した不動産における幽霊事件に悩まされており、事件の真相を暴くようゴーストクラブに依頼する。自由で聡明なフーディーニに憧れており、兄のように慕う。いつかアメリカを旅行するのが夢。
CAST 皆川純子(8/31・9/6)、竹内順子(9/1・2・3)、小野賢章(9/4)、妃海 風(9/5・7)

コナン・ドイル卿の小説に登場する架空の人物。言わずと知れた名探偵、シャーロック・ホームズである。極めて冷静沈着で行動的、ヴァイオリンが得意。ドイル卿の妄想の中に現れ、ホームズ特有の皮肉屋な喋り方で、「どうして自分を殺したんだ?」と恨み節。なんとか新作を書こうとあがくドイル卿を哀れに思っている。フーディーニと比較されることを良しとしておらず、「あの若造」と呼んでいる。
CAST 渡辺 徹(8/31・9/3・4・6)、石井正則(9/1・2)、 (9/5・7)