ご挨拶
VOICARIONシリーズをご愛顧頂きましてありがとうございます。2016年に発足しましたこの音楽朗読劇プロジェクトは、僕たちにとって「出会いと絆」の場となりました。回を重ねるごとに、多くのお客様をお迎えすることになり、また様々なジャンルのキャストやミュージシャンとも出会うことができ、東京、大阪、福岡と旅公演もさせて頂き、日本全国のお客様と繋がることができました。今年二~三月に上演した「女王がいた客室」は残念ながら無観客での配信となりましたが、お客様から頂いた応援メッセージを座席に貼り付け、「ここにお客様がいらっしゃるんだ」とキャストもスタッフも目に涙を浮かべて上演しました。あの暖かさ、あの優しさ、あの強さ、僕らの演劇人生の中で、決して忘れることはないでしょう。VOICARIONを始めて、本当に良かったと思うのは、こういった素晴らしい方との「出会いと絆」の場で、作品を育てることができたことにあります。
そしてこの度、ついに我々演劇人にとって夢の舞台、最高峰の空間であります帝国劇場での上演が叶いました。原作・脚本・演出という立場で、この演劇の殿堂で自ら生み出した作品をお届けできることを心から誇りに思います。これまでのどの出会い一つ欠けても、たどり着くことは出来なかった場所でしょう。大切な、大切な仲間たちと、これまで支えてくださったお客様のために、今、雨が上がり再び物語が始まります。皆様のご観劇をお待ちしております。
VOICARION
原作・脚本・演出
藤沢文翁