あらすじ

江戸の末期、天保年間。下総国清滝村の旅籠を取り仕切る鰤の十兵衛は、老境に入った自分の跡継ぎを決めるにあたり、三人の娘に対して父への孝養を一人ずつ問う。腹黒い長女・お文と次女・お里は美辞麗句を並べ立てて父親に取り入ろうとするが、父を真心から愛する三女・お光だけは、おべっかの言葉が出てこない。十兵衛の怒りにふれたお光は家を追い出されてしまう。

月日は流れ、天保十二年。跡を継いだお文とお里が欲のままに骨肉の争いを繰り広げている中、醜い顔と身体、歪んだ心を持つ佐渡の三世次が現れる。謎の老婆のお告げに焚き付けられた三世次は、言葉巧みに人を操り、清滝村を手に入れる野望を抱くようになる。そこにお文の息子 ・きじるしの王次が父の死を知り、無念を晴らすために村に帰ってくる―。

主役はみなさまの想像力。この争いの行く末はいかに・・・