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2018年公演 製作発表記者会見

 

集合写真

5月24日(木)、都内会場にてミュージカル『マイ・フェア・レディ』製作発表記者会見が行われました。当日会見に参加した朝夏まなとさん、神田沙也加さん、寺脇康文さん、別所哲也さん、相島一之さん、今井清隆さん、平方元基さん、前田美波里さん、G2さん(翻訳/訳詞/演出)が公演に向けて意気込みを語りました。

~歌唱披露~

♪じっとしていられない
(歌:朝夏まなと)
♪だったらいいな
(歌:神田沙也加)

~挨拶~

G2
【翻訳/訳詞/演出】
『マイ・フェア・レディ』、2013年からリボーン版、新しく生まれ変わったバージョンを担当してますG2です。リボーンして、今回3回目となります。キャストもほぼ一新しまして、舞い戻ってきた方とか、ずっと前からいるような気がする方とか、色々な方がいらっしゃいますけど、華やかに賑やかに、キャストが入れ替わりました。このお仕事をオファーいただいたとき、「50年続けてきたこの作品をあと50年、全部で100年は続けたい」と聞いたんです。あと50年とは大変だなあと思いまして、そのために色々新しくして、今を生きる人の感覚に持っていきたいということで、2013年に歌詞、台詞を全部書き換えました。演出も、当時やっていないシーンを復活させたり、演出も大きく変えたり、色々工夫をして上演時間を短くするということをしました。もともとイギリスのコックニー訛りという、ロンドンの訛りですね、全地球を見ても都心部で訛りがあるのは、江戸とロンドンだけらしいのです。そこで、江戸弁とコックニー弁を合わせた形でやり初めました。それに加えて、もう一つ人間ドラマを深くしっとりと、そして胸に迫ってくる、そういう演出を加えていきたいと思っております。何卒宜しくお願い致します。
朝夏まなと
イライザ・ドゥーリトル 役(Wキャスト)
昨年の11月に宝塚を退団いたしまして、初めてのミュージカルです。この初めてのミュージカルが伝統のある『マイ・フェア・レディ』ということでとても光栄に思っております。女優さんとして、今までとは全く違うことに挑戦していくわけですけれども、今はその不安とわくわくで胸が一杯なんですが、G2さんと素晴らしい共演者の皆さまから、たくさん勉強させていただいて、また新しい道をしっかりと頑張っていきたいと思っております。どうぞ宜しくお願い致します。
神田沙也加
イライザ・ドゥーリトル 役(Wキャスト)
『マイ・フェア・レディ』は私にとって本当に特別な作品で、ずっと大好きで何回も劇場に足を運んで・・・・・・何回観たことでしょうか、一緒になって台詞を言って、一緒になって歌を歌って、という風に楽しんできました。でも今回はお客さんとして楽しむだけではなくて、実際にイライザの扮装を着させていただきましたけれども、この姿で皆さまにお会いできることを楽しみにしてきました。本当に素晴らしい先輩方とご一緒させていただきます。そしてG2さんとも久しぶりにご一緒させていただきます。皆さまにご指導いただいて、誠心誠意、真摯に役と作品に向き合っていけたらと思っております。どうぞ観にいらしてください、宜しくお願い致します。
寺脇康文
ヘンリー・ヒギンズ教授 役(Wキャスト)
リボーン版になりましてから、3作連続で出させていただくことになりました最初にお話をいただいたときは台本をもらって、「あ、できないなー」というくらい、台詞の量がすごいわけです。言語学者ですから、噛めませんしね(会場笑)。そういうわけで、できるのかなと思いながら、日々、台詞と格闘しまして。そして歌もヒギンズは結構歌っているんです。今までのヒギンズさんは、ほとんどセリフでやられていたところなのですが、音符もちゃんとありますし、リボーン版ですので、では歌いますということで。新しい挑戦もさせていただいた作品で、本当に楽しくやらせていただきましたが、今回また呼んでいただきましたのでね、一新されたキャストの中で、「お前いいよ!」と言われないように(会場笑)、新しいヒギンズをまた頑張って作っていきたいと思います。G2さんの演出は繊細なので、それぞれのキャストの心情がしっかりと聴きとれるような、ミュージカルですけれども人間模様も楽しめる作品になると思います。とにかくもうすぐ、わくわく、ドキドキが始まるのが楽しみですが、前回ひとりでヒギンズを演じていたので、昼夜2回公演の日はヘトヘトになったものですが、今回別所さんに出ていただけるということで、半分で良いのか、というね。ありがとうございます!(会場笑)ということで別所さんにバトンタッチいたします、宜しくお願い致します。
別所哲也
ヘンリー・ヒギンズ教授 役(Wキャスト)
憧れのヒギンズをやらせていただきます。寺脇さんから、「半分」バトンタッチをしております、宜しくお願いいたします(笑)。僕にとってミュージカルというのは、一つの表現の場として、大切にしてきた世界なんですけれども、東宝のミュージカルでいいますと、30代で『レ・ミゼラブル』と出会い、そして40代では『ミス・サイゴン』、『南太平洋』、そして50代と年齢を重ねて、この作品に参加させていただくことができて本当に光栄です。といいますのも、数々の憧れの先輩方もこの作品に携わっていらっしゃいました。たとえば、宝田明先生。宝田さんが出てらっしゃった「ゴジラ」にも僕は関わりましたが、この作品にも出てらっしゃって。名優の方々が歴史の中で重ねてきた役柄なので、この役をどのように自分が演じられるのか、今から楽しみです。またG2さんとは初めてご一緒するので、きめ細やかな演出によって、この舞台上でどういう新しい自分が見れるのか楽しみにしてますし、それから沙也加ちゃんとは『レ・ミゼラブル』で親子役をやっていましたけれども、もう“沙也加ちゃん”なんて言っちゃいけませんね、“沙也加さん”と、こうやって新たな共演をさせていただくことも嬉しいです。ここにいる仲間と、そしてスタッフと、素晴らしい舞台を作り上げていきたいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。
相島一之
ヒュー・ピッカリング大佐 役
この話を初めていただいたときに、「僕でいいんですか」と。私は二十歳くらいのときに大学で演劇を始めまして、小劇場でお芝居をやっていて三谷幸喜という人間と出会いました。だからずっと演劇をやっていたんです。それが去年『フランケンシュタイン』という東宝のミュージカルに初めて出させていただきまして、それでこれでございますから「私でいいんですか」と!(会場笑)。50年という長い歴史の、この伝統ある素晴らしい『マイ・フェア・レディ』に、しかもピッカリングです、いい役なんです、いつも主人公の隣にいるんです!この4人の隣に、私がいる・・・・・・。しかも初演は益田喜頓さん、昭和の名コメディアンです。コメディアンにして、名俳優、その方がやられた役を、相島がやっていいのか?!・・・・・・やらせていただきます!(会場笑)どうか皆さん、楽しみにしていてください!
今井清隆
アルフレッド・ドゥーリトル 役
その日暮らしの、舌先三寸で人をだましてお金を巻き上げて、無心して、全部それをお酒に変えてしまう、そんな役だっていうのを、昨日台本を読んで知り、びっくりしました(笑)。僕が初めてこの作品を観たときは、栗原小巻さんがイライザで、神山茂さんがヒギンズ教授でした。まだ僕も若かったんで、それを観たときには、「ああ、フレディの役、いつかやりたいな」ってずっと思ってたんですけど、こんな感じになっちゃいました(会場笑)。今度生まれ変わったら、ということで。このドゥーリトルという役は私には向いてないといいますか、いい加減な親父の役なので、私はこう見えても生真面目で・・・(会場笑)、笑い過ぎですよ(笑)。本当に真面目に粛々と生きている人間なもんですから、この役は合っていないなー、役作り大変だなーと思ったんですけども、G2さんが先程、「相島さんが『コメディや面白い役というのは、真面目な人じゃないと出来ないんだよって益田喜頓さんが仰ってた』と言っていた」というのを聞いて、「あ、そうか」と思いまして。キチッとした人じゃないと面白くできないなと思い、少し安心しました。宜しくお願いします、頑張ります。
平方元基
フレディ・アインスフォードヒル 役
再びこの作品に出会うことができて、そしてG2さんの演出を受けることができて、とても嬉しく思います。2013年にフレディ役をやらせていただきまして、その時、♪君が住む街という名曲を歌わせていただいたんですけれども、日に日に緊張も解けていき、幸せな気持ちで毎日舞台に立たせていただいていたな、という記憶が蘇ってきました。また幸せな気持ちを皆さんと一緒に共有できるよう頑張りますので、宜しくお願い致します。
前田美波里
ヒギンズの母 役
私は芸能界に入ったのが15歳、その年やっていたミュージカルが、この『マイ・フェア・レディ』で江利チエミさんがおやりになっていました。初演ですね。わたくしはその翌年の『ノー・ストリングス』(昭和39・芸術座)というミュージカルで、初舞台を踏ませていただきました。憧れの、この『マイ・フェア・レディ』を拝見したときに、「あーやりたいなー」「声は自信がないな、あんな高いキーは出ないな」と思ったのを覚えています。今回はとても心優しいお母様で気品もありながら、母親として息子の素敵な相手を探しているという、母親の気持ちというのを、今回、表現できたらと思っております。今までミュージカルで温かく見守る役というのは、なかなかいただいたことがないんですが、実生活でも母親でございますので、そこは演じやすいかなと思いますけれど、この作品は英国ですからね、アメリカの血が入っている私には、ちょっと邪魔をするところがあるので(会場笑)、そこは抑えて気品よく、イライザと息子が上手くいくように、母親役として頑張っていきたいと思います。どうぞ皆さん宜しくお願い致します。

~メディアとの質疑応答~

Q1 朝夏さん、神田さんに質問です。朝夏さんは宝塚退団後初の舞台主演、またOGの先輩方が演じてきたイライザという、あまりにも有名なヒロインを演じることとなります。また神田さんは今回念願のイライザ役と伺っています。それぞれどのようにイライザを作っていかれようとお考えですか。

<朝夏>
誰もが知っている名曲揃いのミュージカルをさせていただくので、本当に緊張していて、先程の歌唱披露でも震えていたんですけれども、数々の大先輩がされてきて、皆さんそれぞれのイライザのイメージがあると思うのですが、初心者マークなのでこれから体当たりで、G2さんや共演者の皆さんにぶつかっていって、いろんな面を引き出していただいて、そこから自分のイライザはこうですというのが、稽古を重ねていく中で生まれてくるといいなと思っています。まずイライザという人は、とってもチャーミングな人というところが私の中で深く残っていますので、そこをベースに作っていきたいと思います。

<神田>
このイライザという役を目指してミュージカルを志したというところがありますので、決まった時本当に泣き崩れましたし、大声で叫びました。イライザという役、『マイ・フェア・レディ』という作品は、大人になってからもそれだけ興奮できたり、また目指せたりという目標であり続けてくれた存在なんです。なので、ここに立っていられるという今日の初心というものをずっと持ったまま、そして、過去にイライザを演じられてきた先輩方への尊敬の気持ちを最後まで持ち続けていきたいなと。私はどこの劇団にいたわけでもなく、本当に私でいいのかなっていうところも一杯あるんですけれども、こうして立たせていただくからには、私であった意味を見つけたいですし、皆さんにも提示していきたいと思っています。ファンでしたのでイメージトレーニングだけはしてきているので、そういうものが役立つか分からないんですけれども、決まりをつくらず、まずは自由に、G2さんとお話ししていけたらと思っています。

Q2 G2さんに質問です。新しいイライザを迎え、演出面ではどのようなプランをお考えでしょうか。

<G2>
結局、男と女の話というのが根本にありまして、男と女というのは千差万別というか、たとえば他の夫婦のことに口を突っ込んだら絶対に変なことになっちゃいますよね。そういう意味で今回二つのカップル(朝夏&寺脇、神田&別所)が誕生しまして、このカップル同士で違う個性のカップルを作っていきたいと思います。今、沙也加ちゃんが言っていましたけれども、「私が」「神田沙也加が」やることで意味のあるイライザ、みたいなところが各自にあると思いますので、ディスカッションしながら、ここでないとやれないイライザとヒギンズを作っていきたいと思っております。

Q3 寺脇さん、別所さんに質問です。今回はイライザとヒギンズは常に同じカップルで演じられるということですが、どのようなヒギンズとイライザを演じられたいとお考えか、それぞれにとってのお相手役となる朝夏さん、神田さんの印象も含めてお聞かせいただけますでしょうか。

<寺脇>
まだ朝夏さんとお会いして3度目で、卒業時の公演を見に行かせていただいて少しお話しさせていただいたのと、僕のやっている舞台を2度観に来ていただいて、というくらいでして、どぶろく飲んだりそういうことはしてないんですけど(会場笑)。(朝夏に)お酒飲まれますか?(朝夏:うなずき)じゃあ一度飲んだりしながら話したりして。まだ退団されたばかりで男役トップでいらした方ですから、がさつなイライザは二重丸で出来ると思うんですけれど、そこから淑女になっていくイライザに少し不安を持っていらっしゃるようなのでフォローしながら二人で一緒に、僕は3回目ですけれど、また新たな気持ちでどぶろくでも飲みながら、なんでどぶろくか知らないですけど(会場笑)、これから作り上げていけたらと。(朝夏に)ね?どうですか?(朝夏:「はい、お願いします」)どぶろくでよろしくです(朝夏:「はい!」)最初はビールいきましょう(会場笑)。そんな感じでお願いします。

<別所>
『ウーマン・イン・ホワイト』というミュージカルでは少しご一緒することがありまして、共演という意味では、今回は大人の男と、新しい女性像に向かう、非常に上昇志向のある、女性という役柄で。神田沙也加さんは瞳がキラキラしていて、横にいるだけで吸いこまれそうなくらいお美しいですよね。僕らもまず飲みニケーションから・・・飲めない?!(会場笑)沙也加さんは飲めないんだそうです。なので飲みニケーションではない形で、私たちはどぶろくではなく、お茶会でね? Have a cup of tea?ということで英国ばりな世界を・・・、僕らこんなんでいいんですか?G2さん(笑)。G2さんが先程それぞれのカップルでと仰ったので、どんなカップル像を沙也加さんとG2さんの演出のもとで作っていけるのか、お客様には、それぞれ違う部分のある『マイ・フェア・レディ』両方をお楽しみいただけるんじゃないかなと思いますので、僕も大人の男をきちんと演じられるように、そして、沙也加さんの美しさに負けないように、素敵な作品にしたいと思います。

~締めの挨拶~

<朝夏>
本日、じっくりと共演者の皆様とお会いして、ますます頑張ろうという気持ちが強くなりました。9月16日の初日まで、稽古を重ねて皆様に、伝統を残しつつも新しい『マイ・フェア・レディ』をお届けできるように頑張りたいと思いますので、どうぞ、宜しくお願い致します!

<神田>
改めまして、本日はお忙しい中お運びいただきましてありがとうございました。今日初めてこんなに製作発表で笑いました(笑)。お稽古も刺激が沢山で、笑い声が一杯のものになるんじゃないかなって思いました。ただ、目指していたものが形になり一つ夢が叶ったと喜んでいるばかりではなくて、皆さんのもとに公演をしツアーをして無事に終わるまで、最後まで自分の努力を止めずにいきたいですし、私のように『マイ・フェア・レディ』が大好きで、好きなミュージカルとしてずっと挙げていらっしゃるお客様もいらっしゃると思います。その皆様にも納得していただけるような、2018年の『マイ・フェア・レディ』良かったなという感想を持っていただけるように頑張ります。今日は、お会いできてすごく嬉しかったです、どうもありがとうございました。