第三十七回菊田一夫演劇賞発表

2012年4月23日
一般社団法人映画演劇文化協会

「第37回菊田一夫演劇賞」の授賞式が4月20日に行われ、受賞者には賞状と、正賞の記念楯と副賞が贈られました。


一、菊田一夫演劇大賞

三谷幸喜
(「国民の映画」「ベッジ・パードン」「90ミニッツ」の作・演出の成果に対して)


三谷幸喜
「本当にありがとうございます。僕は去年、"生誕50周年感謝祭"みたいなものを自分でやらせて頂き、本来なら人にやって頂くもので自分でやるものではないとは重々わかっていたのですが、とても皆さんに喜んで頂き、たくさん賞も頂きました。色々な賞を頂きましたが、この賞が一番嬉しいです。他の授賞式でも、こんなことを言った気がしますが(笑)本当に本当にこの賞が一番嬉しいです。理由を言います。菊田先生はエンターテインメントとしての演劇を広めることに貢献された方だと思っております。僕自身も演劇を芸術というよりはエンターテインメントとしてより多くの人たちに楽しんで頂くということを目標に作っていますので、そういう意味でもこの賞の受賞は非常に嬉しいです。菊田先生は演劇のみならず映像やラジオ、色んな分野でもご活躍され演劇との橋渡しもされた方です。僕も映画もやり、ドラマもやったりしていますので、菊田先生の名を冠した賞を頂けるということを本当に光栄に思っております。藤本賞も頂きまして、この賞も頂き、貰えるものは全部この際貰おうと思っております(笑)。ノーベル賞も欲しいし、ゆくゆくは"平成の菊田一夫"と呼ばれるようになりたいですし、最終的には菊田先生に倣って東宝の取締役になりたいとも思っております(笑)。どうもありがとうございました。」


一、菊田一夫演劇賞

米倉涼子
(「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラの役の演技に対して)


米倉涼子
「この度は本当に貴重な賞を頂きありがとうございました。今回評価して頂いた『風と共に去りぬ』は菊田一夫先生が帝劇再建の時に非常に情熱を注がれたと伺っております。私にとっても、帝国劇場開場100周年記念公演という、とても重大な大役を頂き、とても思い入れのある役でしたので、今回本当に嬉しいです。三谷さんが本当に嬉しいと仰っていましたが、私はそれ以上に嬉しく思っています(笑)。本当に本当に嬉しくて、今回久しぶりに胸がドキドキしております。役者である以上、こういう素敵な賞を頂けることは嬉しく、これからの活力にもなり、まだまだ頑張っていかなければならないという気持ちになります。この度は本当にありがとうございました。」


石丸幹二
(「G・G・Rグレンギャリー・グレン・ロス」のリチャード・ローマ、
「GOLD~カミーユとロダン~」 オーギュスト・ロダン、
「ジキル&ハイド」のヘンリー・ジキルとエドワード・ハイドの役の演技に対して)


石丸幹二
「今回はありがとうございました。今改めて実感が沸いてきたところです。私は2009年から活動を再開したのですが、その時に今までにないキャラクターの役にも果敢に挑戦していこうと目標を掲げました。今回その受賞の理由として挙げて頂いた役すべてが、どちらかというと悪のかおりのするダークな役どころで、これは今まで挑戦してきたことに自信を持って良かったのかなと思いますし、ますますこれから新しいキャラクターに挑戦していきたいなと思っております。私を支えて下さいました皆さま、その作品を選んでくださった関係者の方々、共演してくださった仲間たち、そしてプライベートでも会社でも支えて下さっている私たちの仲間に感謝致します。本当にありがとうございました。」


瀬奈じゅん
(「三銃士」のミレディ、「ニューヨークに行きたい!!」のリサ・ヴァルトベルク、
「ビューティフル・サンデイ」の三枝ちひろの役の演技に対して)


瀬奈じゅん
「本日はこのような素晴らしい賞を頂きまして本当にありがとうございました。これも一重に選んで下さった演目のスタッフの皆さま、共演者の皆さまが、私が自由に演じることのできる環境を作って下さり支えて頂いたからこそだと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。私は宝塚歌劇団に入団して昨年で20年が経ちました。ですが、女優としてはやっと3年目に入ったところです。これからもこの賞を頂いたことを誇りに、賞に恥じぬよう精進してまいりたいと思います。今後ともご指導のほど、よろしくお願い致します。ありがとうございました。」


柚希礼音
(「オーシャンズ11」のダニー・オーシャンの役の演技に対して)


柚希礼音
「この度は身に余る素晴らしい賞を頂きまして、大変に光栄に思っております。ありがとうございます。この度選んで頂きました『オーシャンズ11』はハリウッド映画の世界初の舞台化で、上演前から不安もあり、また私が演じましたダニー・オーシャン役は映画では私の憧れのジョージ・クルーニーさんが演じてらっしゃり、今まで演じたことのない大人な渋い役どころでしたので、どのように表現しようか不安の大きい中、演出の小池修一郎先生が宝塚で演じる意味を教えて下さり、熱心な先生のご指導に必死でついていきました。ですので、この賞は深夜まで打ち合わせを重ねて下さいました小池先生やスタッフの先生方、そして一緒に舞台を創った星組のみんな全ての関係者への賞だと思っております。この賞を励みにこれからも精進し、お客様が楽しみに宝塚を観に来て下さるようお稽古に励みたいと思います。本日は本当にありがとうございました。」


一、菊田一夫演劇賞特別賞

こまつ座 井上麻矢 (こまつ座・代表)
(井上ひさしの優れた演劇世界を、演劇人の良心を注いで作り上げた
永年の舞台製作における功績に対して)


こまつ座 井上麻矢
「井上ひさしの写真を持ちながら、話させて頂きます。井上ひさしが亡くなってからの2年間、必死の覚悟でやってきました。その中には、未曾有の大震災や色々な困難がありましたが、こうやってどこかできちんと私達がやっていることを見ていて下さっていたということが今日身に沁みて、感謝の申し上げようがありません。選考委員の先生方、東宝さん、私達を支え、小さな小さな劇団に力を貸して下さった皆さま、一緒に頑張ったスタッフ、心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました。」


司 葉子
(今年度の「女の一生」の堤しずの役の演技を含む、永年の舞台の功績に対して)


司葉子
「本当にこの賞を欲しい欲しいと思っておりました。ありがとうございます。月日はさかのぼりますが、ここにいらっしゃる受賞者の皆さんは生の菊田先生はご存じないかと思います。当時、私は映画の方の人間でしたので舞台はどうかなと思っておりましたところ、菊田先生が芸術座の『人間の條件』という舞台で抜擢して下さいました。当時、菊田先生の作品はすべてヒットしており、東宝現代劇と芸術座のスタートの時期で、私も菊田先生の厳しいご指導を頂きました。私はずっと映画に関わっておりましたので、舞台経験がなく不安を感じておりました。それが『人間の條件』以来、菊田先生の作品には11作連続で出演させて頂き、その後もずっと1年に2本は出演させて頂きました。あまり良い弟子ではなかったかもしれませんが、菊田先生の愛弟子だったかもしれないとこの賞を今日頂き、改めて嬉しく思っております。やっと舞台の賞を頂いて、これから私は舞台俳優としてスタートの時かなと思っておりますので、舞台関係の皆さま、ぜひ私を使って頂ければと…よろしくお願い致します(笑)。今まで私をご指導くださいました東宝、松竹からは私にピッタリの役を与えて頂きました。本当に皆さま、色々ご指導賜りまして、ありがとうございました。」



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